「旦那さんフランス人なのに、フランスに住まないの?」
結婚後、日本在住6年目を迎えた私と夫。
これはひじょーによく聞かれる質問でもあります。
結婚相手と自分の国籍が違った場合、
どちらの国を居住地とするかは絶対に話し合わないとならないことの一つです。
相手の国、自分の国。
はたまた全然別の国。
私たち夫婦はフランスで出会ったものの、
「フランスに住む」という選択肢があまりありませんでした。
夫は生まれも育ちもフランスだし、私は自ら希望してフランス留学した身だけどね!
世の国際結婚カップルの方々はどんな感じなのかなあと「国際結婚 住む国」でぐぐったら、
トップに出てきたのが「住む国の選択で別れるべきか」っていう重たい悩み相談なんだが!イヤン
そんな「どこの国に住むか」問題。
私と夫はフランスで出会ったがために、「日本に住む」と言ったら驚かれたわけですが、
私たちが日本在住を決めたのは次のような理由からでした。
私たちが日本在住を決めた理由
結婚後に日本在住を決めたと言っても、
「終の棲み処は日本じゃ!」って程の意気込みではありません。
「まずは日本に住んでみよう。それで、もし合わなかったりうまくいかなかったら、
フランスに住むでも、別の国に行くでもいいから改めて考えよう」
という感じで決めた日本在住。
決めるに至った理由たちはというと……
夫の言い分:治安
まあ、安全大国日本ですから!(エッヘン
とにかく安全、見知らぬ人でもある程度信用して大丈夫。
落とした財布や携帯が返ってくるなど、神話かなんかですかということが起こる。
そりゃあ、最近でこそ治安の悪化が言われていますが、
元々フランスは観光大国ということもあり、危険!という国ではありません。
が、それでも安全面では日本と比べると雲泥の差だったり……
夫の言い分:フランスはストレスありすぎ
これは夫がフランス人だからというのもありますが、だからこそ、
「うわああああもうほんまこの国はああああ!!!!」
と思うことが多いらしい。
(逆に私はフランスに住んでいた間、大抵のことは”そんなもんだろう”と流していた。……外国人だから?)
フランスに居た時はお店を経営していた我が夫。
例えば行政手続きの煩雑さやいい加減さ、やってくる面倒臭いお客さん、
トラブル発生時の所轄警察や弁護士の対応ぶりなどなど……
「なんか、喧嘩腰に訴えなきゃこっちの望みを通せないことに疲れた……」とぼやいていました。
妻の言い分:食べ物・居酒屋
私、めっちゃ和食党なんです。
よく「留学したら、向こうの食べ物がおいしいうえにカロリーが高いから太っちゃった♡」
という話を聞きますが、私は逆。
海外(※欧米)に行くと痩せる。
日本に帰ってくると太る。
何故なら、元々甘いものが好きではないから現地の色とりどりなお菓子やケーキには惹かれず、
パンやイモ、肉は3日も続けば食欲が失せてくる。
ああ、醤油……醤油なめたい……!みたいな状態になるわけです。
そのため日本だとあれもこれも何でもおいしくてついつい食べすぎて(ごはん二合とか)、
結果太ってしまうのです。
あとね、居酒屋。あれは素晴らしい。
ちょい呑みとか、「小腹が空いたから焼き鳥でもつついてビールかな」
という食文化の素晴らしさよ。
フランスだと、「居酒屋みたいにだらだらつまみを食べながら飲む」というのは、
家呑み以外では無理。
あと、顔見知りのレストランでもない限り、
「あんまお腹空いてないから、ハムの盛り合わせとワインだけくださいな」も良い顔されません。
そして友達と飲みに行くとして、大体の流れとしては
がっつり何か食べる(飲んでもワイン一杯とか)→バーへ繰り出しひたすら飲む!!
……つまみもなしにね。
たまにナッツやオリーブを出してくれるところもあるけれど、
若者向けのお店なんて行った日にゃ、つまみの代わりにウォッカのショットが並ぶと思いねえ。
そしてしこたま飲んだ後、「ちょっと小腹減ったわあ」と思ったとしても、
開いてるのはケバブ屋くらい……
ケバブ美味しいけど、お酒のシメには食べたくないんじゃよ……
妻の言い分:水回り・トイレ問題
詰まる・流れぬ・逆流する! そして水流が弱すぎる!!
特に南フランスの夫が生まれ育ったあたりは雨が少ないので、常に節水ではあります。
でもね、
「シャワー壊れてますよー」と言いたいレベルに弱い水流とか(どうやって体洗えと)、
アジア人のハリのある髪の毛が流れるとすぐに詰まる排水溝とか(うかつにシャンプーできない)、
正常なのか故障なのかわからないレベルで頼りなく流れるお手洗いとかが
そこかしこにあるんですもん。
「ちゃんと使えるかどうかわからない」って不安を水回りに抱えて生きてくのはやなの!
あと洗い場のないお風呂。
シャワーブースならまだしも、バスタブの中で体洗うのは何かいまだに馴染めないの!
夫婦の言い分:温泉!
ええもう、ビバ温泉。
私も夫も大好き温泉。
そりゃヨーロッパにも温泉はありますが、
違うの、日本の温泉がいいの。
こればっかりは日本じゃないと……
夫婦の言い分(今は主に夫):こたつ
結婚前は、もちろん夫は「こたつ」を経験したことはありませんでした。
日本の映画やアニメで見たことはあっても「ふーん」って感じ。
そのため、必須の家具で「こたつ」を私が挙げた時には……
「暖房もあるのに何で必要なの? テーブルに布団かけるとか邪魔じゃない?」
という不届きなことを言っていた我が夫。
しかし、半信半疑ながらも一度その魔境に足を踏み入れて以来、
夫は完全にこたつの軍勢に加わってしまったのでありました。
今や、冬になると頭だけ出してこたつに潜り込む夫。
「こたつがないと冬越せない!」とか言っております。
まあフランスじゃあこたつ設置はなかなか難しいよね……
第三国という選択肢もありました
今から約6年前、夫がちょうど日本にやってきた頃は、
現在からは信じられないほどのスーパー円高でした。
何しろ1ユーロ100円以下。
というか、「あれ、このままだと90円切る……?」くらいまで行ったことも。
当時は全てのお金はユーロ建てだった夫。毎日悲壮な顔をし、
「マックどころか、100円ショップですら高い……このままじゃ暮らせない……
3年分と思ってた貯金が、下手したら1年で尽きる……」
と延々呟いていました。
そして言い出したのが、
「もしこのまま超円高が続くなら、タイかどこかアジアの国に移動する!」
というびっくり計画。
私と出会う以前、タイに3年くらい住んで仕事をしていたこともある我が夫。
バンコクに土地勘あるし、タイ語も出来るしということでの発言でした。
当時は会社勤めをしていた私としては、「ええっ、会社どうすんの」よりも、
「お互い母国じゃないし転勤ってわけでもないから、引越しの手続きめんどくさそうだなあ……」
と心の中で思っていました。
しかしそのうち超円高はおさまっていき、日本から別の国に行く計画はなくなりました。
夫が外国籍、妻が日本人だと、夫の母国に暮らす場合が多いのかな
私の周りの日仏カップルは、大体フランスに住んでいました……
って、フランスで会った人たちだからそりゃそうなんですけども!
どちらかと言えば、夫の母国で暮らすという選択肢の方が多いのかなという気もしますが、
ほら、日本だとあるあるな「スープの冷めない距離にいてほしい」っていうあれ。
一応わたくし一人娘なものでして、
私の両親から何か言われるかなあ~……と思っていたら、特に何もなし。
むしろ、3歳年上のいとこが私の父に、
「フランス人と結婚したら、遠くフランスに行っちゃうかもしれないのに、いやじゃないんですか!?」
と言ったらしい。
「いや、結婚するのは娘だから別になんとも。
もし僕が彼と結婚してフランス行けって言われたら、そりゃやだよ」
という父の答えは、
夫が古き日本映画で仕入れていた「日本のお父さん」というイメージを粉々にしましたとさ。
どうやら、「何ぃ、結婚だとぉ、ゆるさ~ん!(ドンガラガッシャーン」的なのを想像していたようです。
いや古すぎだよそのイメージ……
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