初秋になると、日本でお知らせが始まる「今年のボジョレー・ヌーヴォー」。
解禁されるのは11月の第3木曜日なため、2020年は11月19日(木)の0時がそのタイミング。
ここ数年はちょっと盛り上がりもひっそりとしたかな……と思うものの、数年前はすごかった!!TVで「今年のボジョレーが成田に到着しました!」ってニュースになったり(今もやってるかも?)、カウントダウンイベントが開催されたり、タレントを呼んで大々的に試飲会イベントが開かれたり……
さすが初物好きの日本人!!
ところで、日本では毎年騒がれるボジョレーヌーヴォーですが、フランス人的にはどうなんでしょう。
さっさと結論。
フランス人、あえてボジョレーのまない。
ボジョレーヌーヴォーとは
そもそもの話。「ボジョレー・ヌーヴォー」とは、パリの東南、ブルゴーニュ地方の最南部にある丘陵地帯の「ボジョレー地区」で、その年に収穫されたブドウを使ったフレッシュなワインのこと。
https://wine-good.jp/beaujolais-nouveau/beaujolais-nouveau2017/
ボジョレー(Beaujolais):地区の名前
ヌーヴォー(Nouveau):新しい
つまり新酒ってことです。
そして、ワイン好きな方ならご存知でしょうが、ボジョレーヌーヴォーには赤とロゼしかありません。
それは、「その年にボジョレー地区で穫れた『ガメイ』品種を使ったワインだけが『ボジョレーヌーヴォー』を名乗ることができる」とフランスの法律で決まっているから。そしてガメイ種から作ることができるのは赤とロゼ。
ちなみにボジョレー地区でも白ワインを作るためのシャルドネ種は栽培されているものの、全体の1%くらいだそう。逆に貴重かも……
携帯電話を「携帯」って略すのに近いかも?肝心の「電話」部分がなくなってるぅ的な。
ところで何でボジョレー・ヌーヴォーって有名なの?
既に色々なサイトで語られていることかもしれませんが。
元々ボジョレー・ヌーヴォーは地元のひとだけが飲んでいたものの、醸造家のジョルジュ・デュブッフ氏が「もっとボジョレーワインのおいしさを広く知ってもらいたい」ということでプロモーションに力を入れ、今では世界に広まったのだとか。
ただ、フランス人友人によると……
………とのこと。「ボジョレーワインのおいしさをもっと広く知ってもらいたい」的な姿勢からすると、大分アグレッシブにも思えるこの説。
詳しく知りたい方は、ちゃんとしたワインサイトなどで調べてね。
でも結果としてブランディングに超絶成功しているわけで、日本の地方の生産品とかも見習うべき点はいっぱいあると思います。
ボジョレー・ヌーヴォーが愛しくなるポイント
私は別にワインが大好き!!ボジョレー解禁が待ち遠しい!!!ってタイプではないのですが、ボジョレー・ヌーヴォーで毎年楽しみにしていることがあります。
それは、キャッチフレーズ。
何といっても毎年のキャッチフレーズが超絶エモい。
しかもエモいそのキャッチフレーズ、ボルドーから来た公式のものじゃないっていうのがエモい。
キャッチフレーズが世に出るまでの流れは、
ボジョレーワイン委員会がその年の出来を評価
↓
フランス食品振興会(SOPEXA)が翻訳して発表(1)
↓
ワイン販売業者がキャッチフレーズを発表(2)
(1)の部分で発表されるのは、「果実味が豊かでエレガント(2007年)」とか「繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ(2013年)」とか、わりとマトモ正統派。
2008年の「フルーツ、フルーツ、フルーツ」を除いて。
逆に他がマトモだからこそ際立つこの「フルーツ、フルーツ、フルーツ」のやけくそ感。「フルーティー」でもなく「フルーツ」。ぶどうがフルーツなのはわかってるっていうか、フルーツじゃなかったらびびる。
考えても考えても思い浮かばなくて、苦し紛れにひねり出した感が非常にある……気がする。何ていうか、友達から見せられた彼氏の写真にまじでなんも感想が浮かばなくて、とりあえず「やさしそうなひとだね」って絞り出したみたいな。
2008年にボジョレーで何があったかすごく知りたい。
それに対して、(2)で発表されるもう一つのキャッチフレーズはというと、「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え(2011年)」みたいに、これこれ!ボジョレーのキャッチフレーズといえばこれ!!って感じのもの。
過去10年分を並べてみてもこのクオリティ。
2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
2012年「史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか」
2013年「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
2014年「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」
2015年「我がワイン人生最良のヌーヴォー」
2016年「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」
2017年「フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい」
2018年「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる」
2019年「バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン」
・・・・・・濃ゆい。
何かを言っているようで何を言っているかわからないもの多数。どこぞのポエム大臣の記者会見みたいな感じ。結局どの年の者が良いのか、全くわからない。完全に煙に巻かれる消費者!!
その中でも特に好きなのが、2015年。
我がワイン人生最良のヌーヴォー
いやもうそれ、主観じゃん。
今年のキャッチフレーズも気になりますね。
実はボジョレーの解禁イベントに行ったことがあります
何だかんだ言っていますが、数年前に当時住んでた家の近くのイオンでボジョレーヌーヴォー解禁イベントが開かれるということで、えびくんを連れて行ったことがあります。
イベントは午後11時30分くらいから。東京とはいえ、11月後半の夜は結構寒かったのを覚えています……
何かせっかくだから行ってみよっかな、試飲できるしとか思っちゃったんよね。しかもゲストは平野ノラさんだったし。
生で見た平野ノラさんは、おったまげな程綺麗な方でした……
その年のボジョレーの出来をゲストのソムリエが説明し、平野ノラが登場して1ネタやり、会場があたたまったところでカウントダウンからの大試飲会&販売会。会場はもう狂乱のバブルそのもの!たぶん!まあバブルのころ物心ついてないくらいの年だったから知らんけど。
私はとりあえずくいくいと試飲。実はヘビーな赤ワインが苦手なので、軽めのボジョレーは私にとっては呑みやすかったりするんです。
対するえびくんは……試飲拒否。
何でかって、そもそも赤ワインが好きじゃないから。おおい君、本当にフランス人かね!?
ちなみに別の機会で会ったフランス人の友達(※職業:仏語の先生)に「今年のボジョレー・ヌーヴォー飲んだ?」って聞いたところ、「教室でイベントがあったから飲んだよ!いやあ、まずいね、例年通り」って……言ってたっけ……彼はもう少しオブラートに包むってことを覚えた方がいい……
※あくまで個人の意見です
コロナ禍の今だからこそ、家飲みで美味しいワインを楽しもう
2020年になり、コロナのせいで様々なことがすっかり様変わりしてしまいましたが……何となく続く自粛ムードを吹っ飛ばすためにも、ド派手なボジョレー解禁イベントなんてもんがあったらいいなあとか思っていたり……
何ていうかカンフル剤的に?それで、この鬱屈した世の空気をどうにかしてほしい!!いやあ難しいかなあ。
ならば家で、ボジョレーヌーヴォーに限らず、自分好みのワインを飲んでみるのもいいかも?
この「WineShopSommelier(ワインショップソムリエ)」は、その名の通り、何とスタッフが全員ソムリエなんだそう。
ソムリエの資格を持ったスタッフが世界各国のワインを厳選してとてもお得な値段で販売しているので、レストランならちょっと高くて手が出ない……という銘柄のワインを家飲み用に買ってみるのもいいかも?
その他、プレゼント用にボトルに名前を入れるサービスや、折々ですごいセールなどもやっているので、ワイン好きの人もそうでない人もとりあえずチェック!
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