結婚。
男女が夫婦になること。今日の社会では法律上の手続きを裏づけとし、社会的に認められ、経済面、精神面でお互いに助け合いながら、いっしょに暮らすことをいう。婚姻。
引用元:日本語大辞典
何で男女に限ってるのとかそういう話は今回は置いておきまして。
人生の一大イベントであることは恐らく万国共通な結婚。
「フランス人は結婚しない」とよく言われますが、私の周りではパートナーと法律的に結婚してる人/してない人の割合は半々くらい。(最近は若い人の間で法的に結婚するのが再ブームになっているとかいないとか……)
ちなみに私は夫と法的に結婚しています。
2012年の4月に婚姻手続きを日本で行い、結婚式は2012年6月、翌年3月にフランスでもう1度。
まさにひとつぶで、二度おいしい!
日本でもフランスでも結婚式をしたり、日本人・フランス人の友達の結婚式にも色々と出てきた中で、「ああ所変われば色々違うなあ」と思ったことが色々とありました。式だけでなく、結婚にまつわるあれこれも。
ええ、本当に色々と。まずは「結婚式」に至る前までの違いダヨ!
結婚にまつわる日仏違いあれこれ
日本で結婚式をする場合、式場を選んで検討を重ね、ドレスや装飾を選び、受付を頼む人を選んだり……と、押し寄せる打ち合わせラッシュに頭がクラクラとなることも。
フランスの場合、そもそも式場担当のプランナーさんが居ない気がします。
「気がします」なのは、日本の結婚式は私側家族が、フランスの結婚式は夫側家族がもろもろの準備を行ったので、フランスでは私はまるで操り人形のように出番とやることを指示されていたから……
その他にもいろいろと違いがありました。
結婚前夜の違い
1:事前の申請で異議申し立てがないかを待つ
「結婚しまーす」となると、日本だと婚姻届けに必要事項を記入して役所に提出……ですが、フランスの場合、それより以前に結婚する申し出を市町村にします。
すると、市役所に「XXさんは、XXさんとX月X日に結婚しますが、異議申し立てのある人はいませんか?」という掲示がされます。期間にして確か1週間ほど。
「あいつ……借金踏み倒したまま結婚しようとしとる、異議あり!!」……みたいな場合、市役所に申し出ることができるそうです。
しかし私の周りに異議を申し立てられた人がいないため、異議ありになった場合どうなるかは、若干謎のままであります。
2:書類提出は土日・夜間は避けるべし
これは日本で婚姻届けを出し、在日フランス大使館に報告をするという流れの場合ですが。
最近は土日も役所が開庁していたり、婚姻届の提出であれば夜間の窓口もある(警備員に渡すのも可)ので、わりといつでも出すことができます。
私たちは、まあ当時はロマンチックなことで、お付き合い記念日に書類を提出しようと計画していたのです……が、ちょうどその日は日曜日。まあ日曜日でも出せるし……と思っていたところ、夫からストップが。
「日本で書類を出し、フランス大使館に報告する」という場合、市役所で「この人たちの婚姻届、確かに受理しましたよ」という書類(婚姻届受理証明書……完全に名前忘れてた!)を発行してもらう必要があります。
その書類には、婚姻日が記載されるのですが、それが土日だとマズイ。
何故か。
フランスでは、法的に結婚をする場合、市役所のセレモニーで市長や市長代理といったエライ人から許可を貰わないと、認められません。
しかし土日は、役所の書類仕事はお休み。休みなんだから婚姻届の受理ができるわけがないので、この結婚、疑わしいというロジックになるそう。(※でもフランスの市庁舎でのセレモニーは土曜日が多いという矛盾)
まあ噂程度でしょと思ったのですが、過去に日本で土日に書類を提出して、フランス大使館の担当者から物言いがつき、結婚が認められなかっただか証明するまでにエライ時間がかかったという人がいる、という話を夫が誰かから聞いていたため、安全をとって翌月曜日に提出をしました。
ちなみに、大使館に出す公的書類って言ったら「戸籍謄本じゃないの?」と思うかもしれませんが、相手が戸籍のない外国人なので、婚姻の証明という点では役に立ちません。夫のことは私の戸籍の備考欄に書かれてるだけだからね……(自分の身分証明のためには必要だけどね!)
3:ドレスは基本買う&お色直しはない
フランスの結婚式で着るウェディングドレスは、基本的に購入します。
レンタルというものはほぼありません。
えっ、ドレス買うなんていくらかかるの……と思うかもしれませんが、日本のレンタル代よりもお値段はリーズナブル。(もちろんハイブランドやデザイナーものは、どっひゃーな値段)
また、ドレス選びに新郎はついてきません。
結婚式当日、式の場で会うまで、新郎は新婦のドレス姿を見てはいけないというのが伝統なんだそうです。
そして、お色直しはいたしません。(ドクターX風に
一着のウェディングドレスを式からパーティーが終わるまでずっと着続けます。
何故かと言えば、これまた伝統的に「ウェディングドレスを脱がせるのは新郎の役目だから」なんだそうな。
もちろん一日中着て、途中からは呑めや歌えや踊れやのカオスになるフランスの結婚式ですから、終わるころにはドレスはボッロボロ。
私の着たドレスも、レースは裂けてるわワインの染みがついてるわで何だか散々な姿になってはいますが、それもひっくるめて良い思い出になるので、ドレスを買うのも悪くないなあと思います。
4:バチェラーパーティー!
アメリカの青春ドラマなどで見かける「バチェラーパーティー」。
結婚を控えた男友達を祝いつつ皆で大騒ぎする独身最後のパーティーってやつですが、フランスにもあります。しかし名前がすごい。
フランス語では、「Enterrement de vie de garçon(あんてるぬまん・どぅ・ヴぃ・どぅ・ぎゃるそん)」。
すごく直訳をすると、「若い男子としての生活を埋葬」的な意味合い。(enterrementが土葬という意味……)まあ、「結婚は人生の墓場」と似たようなイメージなのかもしれませんが。
独身男子の生活はもう最後だぜというのを言い訳に、飲めや歌えの全力の大騒ぎ。この日ばかりは、カップル社会のフランスでも男子のみでバカ騒ぎをします。ぜったいに女人禁制。(ストリップ見に行ったりするしねw
かくいう我が夫も結婚式数日前にこれを行い、まあものの見事に泥酔して……というか、記憶を飛ばすレベルで飲んで帰ってきました。次の日は二日酔いで一日ダウン。楽しそうで何より。
結婚当日にもいろいろあります。
準備段階での違いが色々ある日本とフランスの結婚。
もちろん結婚当日の式や披露宴にもずいぶんと違いがあります。
しかし書き始めるとえらい長くなるので、まずは結婚前夜編でした。
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