スイスのチーズフォンデュにまつわる記事を書きまして、↓
私自身、別にフォンデュが好きで好きでしょうがないってわけじゃないんですが、またもやフォンデュ話です。
だって、フォンデュに関して思い浮かんじゃった話があるから……!
「フォンデュ」に関してあれこれ小話
ところで「ふぉんでゅ」、「フォンデュ」と言いますが、そもそも「フォンデュ(fondue)」とはフランス語で「溶ける・溶かす」を意味する動詞である「fondre」の過去分詞「fondu」から来ています。
んで、「フォンデュ」と言って思い浮かぶものと言えば、まず「チーズフォンデュ」。
それにデザートで見かける「チョコレートフォンデュ」。
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女子力高そうやわあ……
あとは「フォンデュ・ブルギニヨン」とか、日本ではあまりなじみがないところで言うと「フォンデュ・シノワーズ」かしら。
ちなみに「フォンデュ・シノワーズ」って何かといえば……
“フォンデュシノワーズ”は、薄切りの牛肉か豚肉を、野菜や春雨の入ったコンソメスープにくぐらせ、数種類のソースと薬味をお好みでつけて食べます。日本のしゃぶしゃぶのようなもので日本人の口によく合うと思います。
……だそうな! おいしそう! 食べた事ないのが悔やまれる……!
ちなみにこんなものだそうで……
スイスでもフランスでも食べるフォンデュといえば、オイルフォンデュ!
そういえば、スイスとフランスって隣り合ってるけど、フォンデュってどっちの国でも食べるの?と、思うかもしれません。
答えは……YESであり、NOであるような感じ?
というか、フォンデュの種類と、フランスのどこのエリアに住んでいる人か、という点に影響されます。
何故かというと、私の夫も仲の良い友達も、南フランス出身。
そしてこの南フランス人たち……食べないんだ、チーズフォンデュ!!!
食べないどころか「臭いから嫌い」って意見が多数……何故!?
チーズフォンデュの材料って主にチーズとワインじゃん!(‘Д’)……という心の叫びは後述しますが。
ただ、スイスの人もフランスの人も、南フランス人も共通して食べる「フォンデュ」はあります。
というか、思い起こせばスイスとフランス両方で食べたフォンデュがありました。
それは、オイルフォンデュ。
フランス語風に言うと、「フォンデュ・ブルギニヨン(fondue bourguignonne)」。ミートフォンデュという場合もあります。
どんなものかといえば、
「フォンデュ・ブルギニョン」は、フォンデュ用オイルを専用の鍋で熱し、牛サーロインやヒレなど柔らかい赤身肉を入れて揚げる料理。オイルには香りづけのため、タイムやエストラゴンなどのハーブが入れられます。付け合わせはニンジンやジャガイモ、プチトマトが定番。好みの柔らかさに揚がったら、バター・にんにく・エシャロットでつくるブルギニョンソースや、卵黄がまろやかなべアルネズソース、タルタルソースなどにつけていただきます。
すごく簡単に言うと、肉の素揚げ(‘Д’)
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オシャレな肉の素揚げ、です(‘Д’)
赤身肉を串にさしてオイルの中に入れ、ちょうどいい塩梅になったら好きなソース(マヨやバーベキュー、マスタードなどいろいろ)をつけて食べるという、わいわい皆で囲む料理の定番という感じ。
スイスの人にとっては、食べる頻度はチーズフォンデュ>オイルフォンデュという感じみたいですが、(私の周りの)フランス人は友達を家に呼んでやったりします。鍋パ的なノリやね。
でも。私の周りの南フランス人は頑なにチーズフォンデュは食べない。フォンデュ・ブルギニヨンは食べても、フォンデュ・オ・フロマージュ(チーズフォンデュのフランス語)は食べない!!
だからといって、フランスにチーズフォンデュが存在しないのかといえば、そんなことはありません。
雪の多いサヴォワ地方などには「サヴォワ風チーズフォンデュ」があったり、スーパーにいけば「レンジでチンするチーズフォンデュ」が売られていたりします。
フランスのチーズフォンデュといえば「サヴォワ風チーズフォンデュ」
スイス、イタリアと国境を接し、フレンチ・アルプスも擁するサヴォワ地方。スキーリゾートでもあることから、雪が降るエリアなのは明らか。
そりゃあ温かくまったりとしたチーズフォンデュも食べたくなるというもの(*’▽’)
そのサヴォワ地方の名前がついた「サヴォワ風チーズフォンデュ(La fondue savoyarde)」は、
アルプス地方の名物ですが、元をたどれば田舎料理で、主な材料であるチーズの種類は地域によって変わります。コンテ、カンタル、エメンタール……。香り豊かにするために、多少熟成したチーズを組み合わせることが多いようです。サヴォワ地方の極上のチーズフォンデュは、長期熟成のボーフォール、よりフレッシュな風味の若いボーフォール、白ワイン、キルシュで作られます。
スイスのチーズフォンデュが主にエメンタールやグリュイエールで作られるのに対し、サヴォワ風は熟成したチーズを使うのが特徴なのかしら?という印象。
そういえば、私、たぶんサヴォワ風のチーズフォンデュを食べたことがあります……日本の自宅で。
あれがサヴォワ風なのか?でもどこを探しても出てこないマボロシのチーズフォンデュ
サヴォワ地方の中でも北に位置する「オート・サヴォワ県」の山の中に住んでいる友達がいます。
彼、レストランのシェフなのですが、毎年年末から1月いっぱいくらいは「雪が積もりすぎて店が開けられないから強制休業」となるらしく、バカンスということで日本に遊びに来ています。
家が埋もれるくらい雪が積もって、除雪された道路の両側には10メートルくらいの雪の壁が……ってほんまかいな!(‘Д’)という、雪慣れしていない身からするととんでもないスノー・ワンダーランド。
そりゃあ東京の冬なんて寒くないよね、Tシャツ一枚で歩くよね……とトオイメをしてしまう。
そんな彼が「せっかくだから、チーズフォンデュ作るよ」と、当時私と夫が住んでいた東京の自宅で腕を振るってくれたのですが……
チーズフォンデュといえば、とろとろのチーズに切ったバゲットをつけて……という既成概念が壊されたいっぴん。なぜかと言えば、鍋の中に、1cm四方くらいの細かいパスタがたくさん入ってるんだ。彼曰く、ソバ粉でできたパスタなんだそうだ。
味は、濃厚なチーズ……でもいわゆるチーズフォンデュで想像するようなミルキーなものではなく、なんかこうもっとどっしりとした……そう、乳成分と油と炭水化物が全力でカロリーを主張してくる感じ?
夫曰く「”フランス人が作る料理”って言っても、南の方の料理とは全然違うよ。だってすげーーーーー寒いんだもん。すげーーーーーーー寒いから、カロリー!って感じの味なんだよ。」とのこと。
フランス料理のバラエティ、恐るべし(‘Д’)
そして写真を撮っておかなかった私のばかばか!ぐーぐる先生で探しても、これだ!って写真が出てこないんだけど何故!?彼のオリジナル料理……ではないと思うんだけどなあ。
一方、南フランス人が食べるチーズ料理とは
私の周りの南フランス人だけかもしれませんが……チーズ料理といえばラクレットみたい。
ほら、熱したチーズをハムやじゃがいもにかけて食べるコレ。
日本で自宅用の鍋が売られているように、フランスのお店では自宅でできるラクレット用機材が販売されていてとってもポピュラー。友達と一緒にレッツ・ラクレットパーティー! ……って、
チーズをあっためて食べる料理で、何でラクレットはよくてフォンデュはダメなん!?と思わずにはいられないのですが、チーズフォンデュに対して、以前こんな反応がありました。
南フランス人宅でチーズフォンデュを食べようとしたら露骨にいやな反応をされた話
私がフランスに住んでいた当時。
夫は友達2人とルームシェアをしていました。
皆でチーズフォンデュでも食べようかと、レンジで作れるフォンデュキットを買って帰った私を迎えたのは……ルームメイトの冷たい反応。
「それ、食べるの?ここで?」
とまず言われ。うんと返せば、「じゃあちょっと待ってて」と言って、リビングに干してあった洗濯物を取り込み始めたのです。
え、何で? チーズやん。君らチーズ好きやん(‘Д’)
と、私の頭にハテナマークが浮かんだのは言うまでもありません。
「あと、食べ終わったら窓開けて換気して!じゃあ僕、出かけてくるから!」とそそくさとどこかに行ってしまったルームメイトたち……
そして夫はといえば、フォンデュに付き合ってくれたものの、食べたのはパンのみで、そっと鼻で息するのをやめていたそうな……
え、何で? チーズやん。君らチーズ好きやん!!!
ていうかこの前一緒にラクレットしたじゃん!!(‘Д’)
……でも、ダメなんだそうな。ラクレットはチーズを溶かすだけだからいいけど、チーズ以外にも色々材料が混ざってるチーズフォンデュは正直、くさい……んだそうな。
ナンデナノー!
チーズだから何でも食べるというわけではないらしい
スイスのお国料理、チーズフォンデュ。
そして濃厚で芳醇なチーズが多いフランス。
チーズで有名なんだから、フランスの人は(というか主に南のフランス人は)チーズ関連なら何でもいいかといえばそうではないようで……
もちろん、あらゆる南フランス人が「チーズフォンデュ苦手!」というわけではないと思いますよ。
たまたま私の周りの南フランス人がほぼ全員、チーズフォンデュが苦手だっただけだとは思いますが……
同じチーズを使っていても、その調理法も味も様々。そして国や地方によってレシピも様々。まあ、チーズ自体、数えきれないほどの種類がありますからね。
でもいまだに納得できないんだ……何で君ら(私の周りの南仏人)、ラクレットは食べるのにフォンデュは食べないんだー!!
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