焼き鳥に魚の種類!フランス人が驚く日本の食文化の幅広さ

焼き鳥に魚の種類!フランス人が驚く日本の食文化の幅広さ

パリやニューヨークなど、世界中のグルメがその国の料理人によって提供されるレストランならいざ知らず、地方都市ではまだまだうさんくさい日本食や、アジア圏の料理がひとまとめにされたレストランが多々あります。

 

私が住んでいた南フランスのニースは、最近でこそちゃんとした日本食や、最近ではラーメン屋さんまでできたそうですが、私が在仏だったおよそ8年前は「やっとまともなお寿司屋さんが出来た……!」という状態。まだまだ「日本食っぽいもの」が席巻していました。

 

今ではすっかりお寿司屋さんのカウンターで「ネギトロ手巻き、ネギ抜きで」のように注文をして板さんを驚かせる我が夫ですが、出会った当時は「日本食」ではなく「日本食っぽいもの」に毒されていました。もちろん、夫だけに限らず周りのフランス人もです。

 

そんな人たちが日本に来て驚くのは、「フランスで思ってたのと全然違う日本食文化」だったりします。

 

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フランス人が驚く日本の日本食事情

フランスといえば世界に名だたるグルメ大国

私たち日本人からすると、「さぞ毎日オシャレで美味しい芸術的な料理を食べているんでしょう」という幻想を抱きがちですが、決してそんなことはありません

 

「日本人って、毎日お高いスシを食べてるんでしょう?」と言われ、いやいやそんなことないっすというのと同じ。

 

日本で紹介されるフランス料理のレシピ本が総じておしゃれというのが、「フランス人はおしゃれなものを食べている」という幻想を加速させている気もしますが……

 

フランスの人って基本共働きだし、じっくり料理するのは週末くらいで普段は一品どーん!みたいな方が多いです。

 

一品といっても、

こんなオシャレなものでは決してない……日本のフレンチレストランで出るもの=フランス人が普段食べてるものと思わない方がいい。

 

しかし。これと正反対のことが、日本食にも言えます。

 

そして、日本に来たフランス人は大抵驚きます。

 

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フランス料理並みにバラエティがある日本食

「日本人って、家で普段何食べてるの?」と聞かれるのが非常に困る。

 

だって、毎日基本的に違うもの食べてるじゃない?魚もあれば肉もあり、和食に中華、洋食などなど幅が広いため一口に説明できず、困った挙句に「味噌汁とごはん……あと色々」なんて言ってしまうこともある私。

 

フランス人がイメージする和食でトップに来るのは、まず何といっても寿司。その後天ぷらや他の料理が頭に浮かぶわけですが、そのどれもが大抵はレストラン料理。家庭で食べているものとは違う。

 

家庭で食べる肉じゃがや筑前煮、冬の鍋……そこから居酒屋や各種小料理など安価な外食があり、外国の人にもおなじみ寿司やてんぷら、果ては高級な懐石料理まで「和食」と言った時の幅が非常に広いということに驚くらしいです。

 

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寿司ネタはサーモンとマグロだけじゃない

フランス人が「スシ」といって思い浮かべるネタは、大抵サーモンとマグロ。そしてきゅうりの巻き物。

 

日本人が経営していて色々とネタを揃えているお店でも、「マグロ8貫+マグロ巻」とか「サーモン10貫」みたいなセットが人気だったりします。単品かよ、すしざんまいの支店のまぐろざんまいかよ……というツッコミを入れたくなってしまうほど。

 


 いやマグロ美味しいけどさあ……

 

寿司ネタがバラエティに富んでいても知らない、もしくは手を出さないという人も多い。というかそもそも「魚ニガテ。生なんて絶対無理!サーモンのソテーがギリギリ」という海辺育ちの子までいるほど。

 

まあ海産物全般が苦手ならしょうがないけれど、「鯛のカルパッチョ」は食べるのに「鯛のにぎり」になると手を出さない人がいるのは何故なんだぜ!!

 

しかし逆に、ハマってしまうとドはまりするのもフランス人。ていうかうちの夫なんですが……

 

フランスで良く行っていた日本人経営のお寿司屋さんにて、サーモンとマグロばっかり注文していた夫にご主人が軽くキレw、「お寿司好きっていうなら他のネタも試してみろ、ホタテは好きか?なら握るから食べてみろ」と、半ば強引にホタテの握りを出された我が夫。

 

初めは「ホタテ……完全生で……握りだと……!?」みたいなリアクションだった夫ですが、恐る恐る食べたらそのこってり感にノックアウトされたらしく、

 

ふぬぉおおおう、おいしいいい

 

と叫んでおりました。

 

その後日本に来て、お寿司屋さんで様々なネタを見てびっくりし、でもその名前がフランス語にないため寿司ネタを日本語で覚え、今に至ります。

 

そうそう。魚の種類ね……日本だと数限りなくありますが、フランスだと本当にメジャーどころの魚にしか一般的な単語がない。辞書を引いても出てくるのは学術用語だったり……恐らく英語でも同じなんじゃないかしら。

 

以前東京のお寿司屋さんに行った時、カウンターに一人で来ている外国人のお客さんが居りまして。お任せコースのお店だったために板さんが握った後にネタ名を伝えていたのですが、マグロは「This is ツナ」とか言っているものの、細かい名前になると全部「This is ジャパニーズ・フィッシュ」で乗り切っていたところに漢気を感じました。

 

……ネタ紹介の80%は「This is ジャパニーズ・フィッシュ」だったよ……

 

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「焼き鳥屋」のように専門が細分化されている

日本だと和食ファミレスやそれを売りにしている居酒屋でもない限り、あらゆる日本食メニューを置いているお店は少ないのではないでしょうか。

 

でも海外のジャパニーズレストランだと、寿司に天ぷら、しゃぶしゃぶ、焼き鳥、そばにうどん、茶碗蒸しにおつまみなどの小料理屋メニューなどなど、ひっじょーにバラエティに富んだ構成をしていたりします。(そういうところは大抵日本人経営じゃなかったりするけれど)

 

まあ、「アジアンレストラン」って言って、中国料理とタイ料理と韓国料理が一緒くたにメニューに載ってるようなものです。

 

そのため、日本では寿司は寿司屋、うなぎはうなぎ屋、天ぷらは天ぷら屋に行くんだよ、お寿司の人はお寿司の修行をするから、寿司職人が焼き鳥を焼けるわけじゃないんだよというととっても驚きます|д゚)

 

ちなみに焼き鳥はフランス人にも馴染んでいます。冷凍でも売られているからね。

 

ただ、大体フランスの皆さんがイメージする焼き鳥は「タレのモモ串」。というか、それ以外、存在しない。

 

そのため日本に来ると焼き鳥だけを出すお店があることに驚き、中に入るとモモに始まり鶏皮、ぼんじり、砂肝、レバー、軟骨、つくね……などなど多くの種類があり、しかもタレか塩かを選べるということに驚愕するそう。

 

かくいう夫も、焼き鳥屋はタレ味のもも串だけを出す店だと思っていたらしく「それだけで経営が成り立つなんてすごい……」と密かに考えていたらしい。今では、つくね以外は塩で頼むようになりました。

 

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牛丼チェーンが安くてうまくて早くてすごい

日本人から見たら珍しくもない牛丼チェーン。

 

わりとどこにでもあり、24時間開いていて、注文すればすぐ出てきて温かいものが食べられ、安い……というのが衝撃らしい。

 

確かにフランスでは、短時間で安く食べようと思えば大抵サンドイッチやケバブ、チャイニーズのテイクアウトで、レストランに入れば時間もお金もかかるので、店内に座って温かいモノをサッと食べられるということに驚くんだそう。

 

しかも、それが、ワンコインでチップ不要!

 

日本に旅行にきた義母がすき家で感動したらしいけれど、夫のお気に入りは松屋の牛カレー飯なため、ちょっとしたチェーン店論争になったとかならないとか。

 

あらゆる国の料理が揃ってる

本当に、特に東京は、世界中の料理が揃ってるなあと思います。

 

和洋中に限らず、「えっ、こんな国の料理まで!?」というお店がある。東京に居るだけでグルメ世界旅行ができるレベル。なのに、決して日本食をおろそかにしているわけではないというところに驚きを感じるそう。

 

ミシュランの星所持数で確か東京がパリを越えたんだったかしら?その話もうなずけるというものです。

 

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日本食の中身を一言で説明するのは難しい

最近でこそ日本食は世界中でブームになっていますが、それでも「日本人が普段家で何を食べているか」まで理解している外国の人は少ないように思います。

 

もし外国の人に日本食をふるまう機会が訪れたなら、時には寿司やてんぷらから離れて、日本の家庭で食べている料理を作ってみるのも良いかもしれません。

 

ちなみに肉じゃがはフランス人にウケたよ!(*’▽’)

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