「ジュ・テーム( je t’aime )」。
日本語で「愛してる」、英語なら「I love you」のこのフレーズ。
フランス語を勉強したことがない人でも、耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
フランスは愛の国と言われるだけあって、カップルは常にアッツアツ。
どこでもそこでもチュッチュチュッチュやらかしてます。
そんなに愛が大切ならば、さぞ「ジュ・テ~ム」と囁きまくっているんでしょう、
何なら呼吸するたびに「じゅてーむ」って言ってるんじゃないの? と思った方。
意外と、そんなことはないんです。
色んな相手に使われる「ジュ・テーム」
確かにフランスの人は、色んな場面で「ジュテーム」といいます。
よくあるのは親から子に。
そして子から親にも。
ウェイウェイ系の若者ですら、親への電話では「ジュ・テーム」でしめたりします。
あとは友達同士。
日本人でも「大好きー!」って友達に言いますが、
「ジュテーム」と友達に言うフランス人はよく見かけます。(男友達同士だとジョークの場合が多いけれど)
もちろん夫婦、恋人同士でも言います……が、
それは付き合いが長くなってからの話。
逆に、付き合いたてだと「ジュテーム」と言わない場合が多くあります。
「ジュテーム」の言葉が持つ重み
「今付き合っているフランス人の彼が、ジュテームって言ってくれないんです」
とお悩みのあなた。
その彼は、結構真剣にあなたとの関係を見極めているといっても過言ではありません。
何故か。
「Je t’aime」は、それなりに責任が伴う言葉だからだそう。
「付き合ってください」というフレーズはフランス語には存在せず、
「あれ?何か私たち……付き合ってるっぽい?」となったとします。
二人でデートもするし、キスもするし、何なら彼の家に泊まるし……
それでも「Je t’aime」とは簡単に言わないフランス男子。
英語ならば、「I love you」の前段階で「I like you」と言ったりもしますが、
フランス語には「I like you」にあたる直接的なフレーズがありません。
「君のことは真剣に考えてるよ」とか色々というものの、
ん~、肝心の「愛してる(ジュテーム)」はどこ!? となることもしばしば。
何故かと言えば、フランス女子もそうですが、特に男子の場合、
「ジュテームと口に出した瞬間に、彼女との将来とかを真剣に考える責任」を感じるとのこと(夫談。
かくいう私も、夫から「ジュテーム」と言われたのは、付き合ってから半年後位。
当時は英語で会話をしていたので、最初は「I like you」、続いて「I love you」は言われていたものの、
肝心の「ジュテーム」はしばらく言われませんでした。
(ちなみに I love youは母国語ではないため、言葉の重みはあまり感じないとの夫談)
je t’aime は重い言葉
愛の国と言われ、四方八方にラヴを囁いていそうなフランス人ではありますが、
意外と恋人に対して「je t’aime」と最初に口に出すのはハードルが高いようです。
しかも、自分は意を決して「ジュテーム」って言ったのに、
相手から「え……私たち、そんなんじゃなくない?」と言われることもあるとか。
もちろん、息を吐くように「je t’aime」と色んな女の子に囁く輩もいないとはいいません。
また、十代の子ならば若さゆえで「je t’aime」と簡単に言うかもしれません。
(高校生くらいだと、”私、彼氏と結婚する!”ってすぐ言うしね)
けれど、いっぱしの大人になってからのフランス人は、
「ジュテーム」というフレーズにそれなりの責任感を持っています。
まあ、一度口に出して「ジュテーム」と言い、相手もそれを受け入れてくれた後は、
それこそ、ことあるごとに「ジュテーム」と繰り出すようになりますが(‘Д’)
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