うちの夫ですが! “イタリア系フランス人”とは

うちの夫ですが! “イタリア系フランス人”とは

イタリア系フランス人とは

うちの夫、フランス人なんです
と日本で言うと、「え、なんかおっしゃれ!」と言われることが多かったりします。

多分そういう場合、その方の頭の中には、
フランス……

パリ! エッフェル塔、凱旋門、ベルサイユ宮殿!

クロワッサンにカフェ文化、時折聞こえるシャンソンの音色!

ちょっとアンニュイなフランス人男性、でもアムールの国!!!

というイメージが繰り広げられているのではないでしょうか。

いやでもね、うちの夫、南フランス出身のイタリア系フランス人なんですよ。

 

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イタリア系フランス人とは

まあ文字通りなんですが、「国籍はフランスだけど、ルーツはイタリア」というイタリア系フランス人。

ちなみにうちの夫は、祖父母の代で見ると1人だけフランス系フランス人で、

残る3人はイタリア系フランス人。なので、イタリア系の血の方が強い。

黒髪に黒い目だしね。

 

というか、夫の生まれ育ったところがそもそもイタリア国境に激近なので、

周囲にもイタリア系フランス人だけでなく、イタリア人も多いという環境。

街も、「フランス語+英語」ができる人よりも、「フランス語+イタリア語」人口の方が多かったり

とにかくイタリア寄りなところが多いのですが……

家族の在り方にもその影響が随分と現れているように思います。

 

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フランスの中のイタリア系家族

フランス人のイメージというと……シンプルな生活、カップル文化、ちょっと気まぐれ、家族やバカンスを大事にしている……というような感じでしょうか。(本の受け売り)

対してイタリア人はといえば……ママン!ママン!イタリアママン!、感情表現大きい、家族ラヴ!!……といった感じ?(これまた本の受け売り)

 

フランス人的要素を持ちつつも、強烈にイタリア的傾向を持っているイタリア系フランス人。

日本女性が言う、「うちの夫マザコンで……」というのが可愛く思えるくらい、ママン大好き

 

「もしあなたの目の前で、私とあなたのママが溺れてたら、どっちを助ける?」と聞いたところ、

「……(熟考)選べない。でも言えるのは、僕にとってママンはたった一人ということかな」との答え。

うん、明らかに妻<母と言ってるよねw

 

もしくは、姑のことを「お義母さん」と呼ぶ日本の慣習について。

「僕のママンをママンて呼ぶな。だって僕のママンであって君のママンじゃないから」とのこと。

うん、仰る通り!私も私の事を産んでない人をママって呼ぶのはアレだったからありがたいよ。

(ちなみにファーストネームで呼んでます。そして夫はといえば、私の父母のことを”日本の慣習に従って”、おとーさんおかーさんと呼んでいます)

 

対するママンも、「息子ラブ!!!」を隠さない。ちなみに息子が4人いて夫は三男だけど、全員ラブ。

そんな大好きなママンなのに、ムカっとすると怒鳴り合いの喧嘩をしたりする(でも大抵ママンは気にしていなくて、一方的に息子が怒鳴ってる……って、甘えてるだけかも?)

そしてフランス系と「違うなあ~」といちばん思ったのが……

「結婚が大事!事実婚や同棲はだめ、ちゃんと法律的に結婚しなさい!というところ。

 

フランスでは、最近こそ法的に結婚するのが再ブームとも言われていますが、

夫のママンは「この人と決めたなら、まず結婚!子供はそのあと!!順番逆はだめ!!」というタイプ。

 

「彼/彼女は人生のパートナーだと思ってるけど、結婚とか法的なことには縛られたくないんだ」

なんて言おうものなら、ママンの鉄槌が待っている。恐ろしや。

 

夫の友人にもイタリア系フランス人の家族が多く、結婚問題で悩みを抱えている人もいます。

例えば双子の兄弟(どちらも男子)。

 

双子の弟の方は彼女との間に既に子供アリ。けれど「法的に結婚はしない」と言っている。

困ったのは兄の方。彼女と一緒に住んでいるものの、彼らのママンから、

「彼女と一緒に住んでるなら、さっさと結婚しなさい。さあ結婚だ、結婚結婚!」と言われているらしい。

双子の二人とも法的に結婚しないなんて許さん!というママンからのプレッシャーを感じているそうです。

 

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我が夫にみるイタリア的部分

そういうイタリア系家族の中で育ってきた我が夫。

「ああ、イタリア……」と思うのは、パスタを茹でる時

 

フランスのレストランや、フランス系フランス人のお家でパスタを食べると、

「ア、アルデンテって言葉は存在しないのか……?」と思うくらい柔らかいことがあります。(マジで

柔らかい方が消化にいいからと言われているからだとか……

さらにその柔らかいパスタを、「ナイフとフォークで切って食べる」ことがあるフランス系フランス人。

 

それを見てると、我が夫は卒倒しそうになるそうで。

 

パスタを茹でる時は、たっっっっっぷりのお湯に、オリーブオイル一たらし、塩はこれまたタップリ、

茹で時間は計らないけれど、茹で具合はいちいち味見して確かめ、ベストなタイミングで完了。

 

私が茹でる時は「茹でる前にパスタを折るな、塩は入れたか、オリーブオイルは?」と、まるで小姑のよう。

 

そして私は日本人なので、たらこのパスタとか納豆パスタを食べようとすると……

イタリアのパスタ警察(そんなんいるんかい)に言ってタイホしてもらうぞ!!」とか脅してきます。

いやいや、フランス人だってチョコのお寿司とか作ってるじゃん……

 

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フランス人とひとくくりにできないところが面白い

さすが色んな国と国境を接している多民族国家フランス

「フランス人」と言っても、ルーツがどこにあるかで雰囲気が全然違うというのが面白いところ。

 

しかし教育はフランスで受けているので、「イタリア系フランス人」といっても「イタリア人」とは考え方も何もかも歴然と違っています。(他のルーツも然り)

 

「XX系日本人」という機会が少ない私たちからすると、「XX系」というのがピンと来なかったりもしますが、

夫からすると「純XX人」という方が不思議だとのこと。

例えば「純日本人」と言おうものなら、「”純”って、何を基準に言ってるの?国籍?文化?見た目???」と聞いてきます。

 

「フランス人」という時、国籍以外だったら何を基準にするのか悩んでしまうくらい多種多様な人たちが暮らす国、フランス。

アメリカは「人種のるつぼ」だと言われますが、フランスの方がもっとるつぼな気がしなくもありません。

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