日本人が外国に行って迷うことの一つ、チップ文化。
良いサービスを受けたら、荷物を運んでもらったら、料理がおいしかったら……等、渡すべきと言われる場面は様々。そして金額も「おつりの端数を切り上げるのがスマート」「会計のXX%」など、明確な基準があるのかとおもいきや、国によって微妙に事情が違うため、誰かに聞いても、マナー本やガイドブックを見ても、はっきりした答えがなかったりするのが困るところ。んでもって、「少額すぎると失礼に当たります」とか言われた日には……
もうね、チップ慣れしていない国の人(私)からすると、チップ必須!一律1000円!とか決めてくれよ……とか情緒なく言いたくなってしまうレベル|д゚) だって、そうしたら怖がらずに渡せるから!
その逆パターンで、チップ文化の国からやってきたお友達が、時に日本で「チップを受け取ってもらえない現象」にぶち当たり、衝撃を受けることも。
日本に旅行に来る仏人友達が、時にチップを渡したがる。
「日本はチップの習慣ない」と言っても「感謝の気持ちだから」と譲らず、こっそり居酒屋のテーブルに500円玉を置いて来た友達がいる。
結果。
「お客様!お釣り忘れてます!」
と、店員さんが店の外まで走って追いかけてきた。目丸くしてた。— あんずっこ@フランス夫と日本田舎暮らし (@allez_abricot) 2019年2月13日
チップ。
発音すると軽やかに聞こえる「チップ」。でもその軽やかな響きとは裏腹に、曖昧で不文律があるのもチップ。いやあ、よくわからん!|д゚)
チップに関してアメリカ・日本・フランスで考えてみる
「海外におけるチップとは~~~」という文章を見かけても、ちょっと待ってほしい。その「海外」、どこを指してます?
「欧米では~~~」も、ちょっと怪しい。だって、欧と米で全然違うから!うちの夫(フランス人)に「欧米だとXXなの?」って聞いても、「フランスとかヨーロッパはXXだけど、アメリカは知らん。アメリカ人じゃないし」って言われるもの。
そもそもチップとは
チップ(tip)とは、
サービスや芸などに対する慰労や感謝の気持ちとして与える少額の金。心付け。祝儀。「チップをはずむ」
引用元:コトバンク>デジタル大辞泉
……だよね!そうそう。「ありがとう」の気持ちを込めておくのがチップ。そしてその習慣は日本にはない。
ない、けど。
別のタイプのチップが、日本にはある。
日本のお店ではチップは置かないけど、旅館に泊まる時(旅館によるけど) お部屋のお世話してくださる仲居さんがいる時はいつも少し(千円くらい) お渡ししています。昔から母がそうやっているので、そういうものかなって。
イギリスやヨーロッパではお店にちゃんとチップ置きます。
自分も戴いているので https://t.co/KwoD6YEjSa— Nonnie (@nonniehough) 2019年2月14日
そうです心づけです。旅館の仲居さんにそっとポチ袋に入れて渡すアレ!「これから何かとよろしくお願いします」という意味で渡すあの子。渡すタイミングは異なれど、これもある種のチップよね。
ちなみに「チップ」はフランス語では「le pourboire(プーボワー)」です。
アメリカと異なるフランスのチップ事情
私の乏しいアメリカの知識で語らせてもらえば(旅行と出張で行ったことがあるだけで、住んだことはない)、アメリカでチップは半強制レベル。(間違っていたら誰か優しく教えてください|д゚))
元々サービスに当たる人のお給料が低く設定されているため、お客さんに対して良いサービスを提供し、いかに多くのチップを貰うかが収入の要。逆にチップを払う側からすると、伝票に「チップ」という欄が設けられていて自分で金額を書き込む形式。よっぽど何か不愉快なことがあった場合は除き、そこに「Tip:$0」と書く勇気は……少なくとも私にはない!
ではフランスではどうかというと。
まず、サービス料は基本的に料金に含まれています。そのため、伝票にチップの額を記載するようなことはありませんし、「渡さなきゃいけない!」というプレッシャーもありません。
しかし、「美味しかった」「ありがとう」「素敵な時間を過ごせた」というような感謝の意味を込めて、会計後にチップを置いていく習慣は根強くあります。またカフェなど少額の会計であっても、例えばカフェオレが1.8ユーロだったら、2ユーロを渡して「お釣りはいらないよ」と言ったり。
じゃあ実際どれくらいのチップを渡せばいいのか、ルールはあるのかと夫に聞いたところ……頭悩ませちゃったよこの人!!!
夫の両親が飲食関係の仕事をしていることもあるため、小さい頃からチップを受けることもチップを渡すことも多かった夫。(飲食関係に従事しているからチップの嬉しさはよくわかっているため、いざお客側になるとチップを渡したいと思うらしい)
でも身についた習慣について改めて聞かれると戸惑ってしまったようで、一生懸命考えた果てに……
・カフェとかだったら、お釣りとなる端数を切り上げてチップにする
・レストランだったら会計の5%くらい。高級店だったら10%くらい、でも会計額とその時の満足度による
……という答えを絞り出してくれました。
まあ、頑なにチップを払わない人も一定数存在しますが|д゚)
できればチップのマニュアルが欲しいと思ってしまう日本人的な私
「海外にはチップの習慣があるから注意!」と言われても、国によって微妙に違いがあったり、明確な基準があったりなかったりするチップ文化。
かくいう私もフランス在住時、「会計がこれくらいだから大体パーセンテージ的にこれくらいかな」とチップを置くと、夫から「サービスが良くなかったから多すぎる」「いや、もっと置こう」と修正を加えられたりして、WHY!?( ゚Д゚)となったことも。
生まれも育ちも日本な私が、心の底からその機微を理解できる日は来るのでしょうか。
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